受験で断ったマンガに救われた大学時代
なさいとお小言を頂戴していました。
そんな私も人並みに受験を経験する年になり、入試が済むまでの1年間は漫画を読まないと決め、事実我慢した記憶があります。
こんなことを取りとめもなく思い出したのは今日、近所の子同士の立ち話が聞こえてきたからです。
その子は現在高校2年生で、来年は大学受験です。子供の頃から知っていて、普段から顔が合えば部活のこととか、勉強のこととかいろいろ話をするので、春から受験生になることも知っていました。
第一志望校は、なかなか難しいことで有名な大学なので、勉強が大変だろうなと気にかけてはいたんです。
ところが去年、高校から始めたバスケットボール部でキャプテンに選ばれてしまい、30人からいる部員を引っ張らなきゃならないので、引退するまでバスケに集中したいというんですね。
高校時代、部活にのめり込むのはいいことだと思うので、私は応援していました。
でも、それは所詮、近所のマンガ好きなおやじの考えで、親は当然大学受験を優先しろというわけです。
その子は、そのことを友達に愚痴っていたわけですが、聞いていてなんだか可哀そうになって来ました。
というのも私自身、大好きなマンガを1年断った受験生暮らしを経験しはしたものの、結果は惨憺たるものであり、受けた大学ほとんどすべて、落ちてしまった苦い経験があります。
一つだけ受かっていた、名もない誰も知らないような大学に行くか、浪人するか迷った挙句、また1年マンガを我慢するのは嫌だから、仕方なく不本意入学を決心しました。
そうして入った大学で、身を救ってくれたのは、マンガだったのです。
基本的に行きたくない大学だったので、新入生ガイダンスにも出ず、健康診断も欠席者だけのグループで受けたりする始末でしたから、広いだけがとりえのキャンパスで、知り合いがまったく出来ず孤独でした。
そんなとき、たまたま帰りの電車が一緒になった同じ学科の人と、「進撃の巨人」で話が合い、その人は全巻読み終えていると聞いたので、思い切って貸してくれと頼んだのです。
すると翌日から、各巻づつカバンに入れて持って来てくれるようになり、そうして全巻読み終えた頃には、並んで授業を受ける仲になることが出来ました。
入学してしばらく、多勢に無勢みたいな感じで、友達もなく不安だった日々から解放されたのは、マンガのおかげです。そいつとは今も付き合っています。
近所の子がこれから、バスケをどうするのか分かりませんが、辞めるにしても大学でバスケが身を救ってくれることがあるかもしれない、親がなんと言おうと好きな物とはそういうものだ、話を聞いていてふと思い出したことです。
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